6月28日に行われた「第98回日本美容外科学会」にて、鎌倉統括院長が 「再生医療」 を、そして美原院長が「イントラセル」の講演を行いました。
■日時:2010年6月28日(月) 8:50~19:50
■場所:東京ドームホテル B1「天空」
■テーマ:とことん語ろう、学会で
--- 鎌倉統括院長の講演内容 ---
シンポジウム~美容外科における再生医療~
■脂肪組織由来再生細胞多含有脂肪移植を用いた豊胸術及び若返り術の検討
脂肪組織内に幹細胞を含む多くの再生細胞が確認されてから、様々臨床試験及び前臨床試験が世界各国にて行われている。当院では2007年より脂肪組織由来の幹細胞を含む再生細胞を用いた豊胸術を開始し、現在250症例以上を経験した。幹細胞を含む再生細胞の抽出にはサイトリ社製のCelution(TM) Systemを用い、閉鎖的なシステム内ですべての処理を行った。中期的経過を観察できた症例を中心に臨床結果を解析し、良好な結果を得ることができた。また、腫瘤形成やマンモグラフィー上の石灰化の有無など合併症の状況をフォローし、安全性の確認を行った。合併症を軽減させるためには脂肪移植の方法も重要である。当院ではCelbrush(TM)を用い、0.1~0.2ccずつ脂肪を分注し、合併症の予防対策を行っている。一方、幹細胞治療においてはまだ解明されていないことが多く、治療の実施にあたっては、幹細胞を含む再生細胞における細胞レベルや機能的なレベルでの解析を同時に試みた。現在、顔面の若返りを目的としたプロトコールもスタートしており、中期的臨床経過が得られた症例について報告する。また、最近では移植用脂肪の水分や油分を除去するため、遠心分離機を用いない分離方法としてPureGraft(TM)を用い、機能的かつ効果的な結果を得ている。幹細胞を含む再生細胞を用いた治療においては基礎的研究はもちろんのこと、臨床においても安全かつ効果的な方法で行うことは極めて重要であると思われる。
--- 美原院長の講演内容 ---
■一般演題「INTRAcel」
極細絶縁針を用いたラジオ波装置(イントラセル)の原理
7本7列49本の極細絶縁針にラジオ波を流して、真皮層を直接加温するInsulated Micro-needling Fractional RF technologyが登場し注目されている。
1cm2のスポットサイズの中に配置された49本の絶縁針は3列の絶縁針群を一極とし、それに相対する4列の絶縁針群で対極を成している。この双極間をラジオ波は流れるが針の先端部分以外は絶縁コーティングされているため表皮および真皮浅層には流れない。
針の長さは0.5mm、0.8mm、1.5mm、2.0mmが選択できる。
fine wrinkleやskin textureあるいはlarge poreの改善を目的とする場合には0.5mmか2.0mmを選択する。
すなわち選択的にターゲットのみを加温することができるので、fractional Laserよりもダウンタイムが短く、より深い部位をも加温することができる。表皮からターゲット部に至るvaporizationがないので術後色素沈着も生じにくい。我々は昨年末にシステムを導入して現在までに140症例を経験し、良好な成績をあげているが、今回は本システムの原理と若干の症例を供覧して期待できる効果効能や適用について述べる。
--- 関連情報 ---
≫聖心美容外科統括院長 鎌倉達郎医師プロフィール
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