家庭でできるわきが対策には限度がある?

お子さんの衣服を洗濯しようとしたとき、お子さんが汗ばんだときなどに、わきがのにおいが漂ってきてショックを受けた……なんて経験はありませんか?
思春期になると現れ始める、わきが体質のお子さんの体臭。
近年では、食生活の変化などが理由で、わきが発症の低年齢化が進んでいるといわれており、小学校低学年でにおい始める子もめずらしくありません。

わきがは「アポクリン腺」という汗腺から出る汗が原因です。
これはすべての人が持っている汗腺ですが、わきがの人のアポクリン腺は、そうでない人と比べて数が多い、一つひとつのサイズが大きいという特徴があります。
脂肪やたんぱく質、鉄分などを含むアポクリン腺による汗は、皮膚表面の雑菌に分解されることで独特のにおいを発するのです。
◾️家庭でできるわきが対策には限度がある?
わきが体質の親を持つ子供は、その体質を受け継ぐ確率が高いとされています。
特に、両親ともにわきが体質の場合、その遺伝的傾向はさらに強まります。
ただし、遺伝だけが全てではありません。環境要因もまた、子どものわきがに影響を及ぼすことがあります。
例えば、衛生状態や食生活、ストレスレベルが高い環境は、体臭を強化させる可能性があるため、これらの要因も考慮に入れる必要があります。
子どものわきが体質チェック

ご両親がわきが体質である場合、お子様にも遺伝している可能性が高いとされますが、必ずしも遺伝するというわけではありません。
ここでは、子どものわきが体質であるかどうかのチェックポイントをご紹介します。
日常的に観察することで、お子様がわきがの症状を持つかどうかを初期段階で把握することができるでしょう。
◾️汗の臭い・量
まず、子どもの汗の臭いに注目しましょう。
わきがの特徴として、アポクリン汗腺から分泌される汗は脂肪酸やアンモニアを多く含むため、特有の鋭い臭いがします。
通常の汗であれば洗濯すれば臭いも取れますが、わきがの場合、洗濯後も衣服に残りやすい性質があります。
また、わきが体質の子どもは、普通の活動でも脇の下が濡れやすい傾向にあります。
◾️汗じみ
子どもの服にできる汗じみの状態も重要なチェックポイントです。
特に、色の薄い衣服で汗じみが明らかな場合、わきがの可能性が高まります。汗じみが黄ばんでいるか、または洗濯後も残っている場合は、専門の診断を考慮するべきサインとなるでしょう。
家庭でできる子供のわきが対策

ご家庭でできる対策といえば、毎日お風呂に入れたり、市販の制汗剤を使用したりすることではないでしょうか。
けれども、市販の制汗剤はわきの表面にふたをしているだけなので、汗をかくと流れてしまうし、抑制効果に物足りなさを感じる親御さんも多いようです。
朝に塗っても放課後までは持たないし、かといって学校で勉強に遊びに忙しい子どもは、制汗剤のこまめな塗り直しなどすっかり忘れてしまうこともあるでしょう。
また、制汗剤はあくまでも臭いを抑えるものであり、わきがの根本的な改善にはつながりません。
根本的な改善を希望する場合は、専門クリニック等で治療の検討をおすすめします。
>>子どものわきがについて相談する
子供のわきがは治療も可能
わきがは遺伝性によるものが大きいことから、アポクリン腺を物理的に除去してしまうことがもっとも効果の高い治療法です。
とはいえ、まだ成長段階である子どもの場合、今後アポクリン腺の数が増えていったり、除去したアポクリン腺が再生する可能性があるのに、お子さんの心身に大きな負担をかける切除手術となると、かなり躊躇してしまいますよね。
しかし近年は、副作用や傷跡の心配のない、切らない施術法が増えているってご存知でしょうか?
次項より、症状の軽さの順に、子どもにも適応可能な施術をご紹介します。
◾️子どものわきがの手術・治療は何歳からできる?
思春期頃を迎えるお子様は周囲の目が気になったり、自身がわきがであることを自覚してショックを抱えてしまったりと難しい年頃です。
そのため、思春期を迎える前に根本的な治療をしてあげたいと考える親御様も少なくありません。
子どものわきがの治療や手術には適切なタイミングが求められます。
一般的に、身体の成長が安定し始める12歳から15歳頃が、手術に適した年齢とされています。
この時期になると、アポクリン腺の発達が一定の段階に達し、治療の効果が最大限に引き出されやすくなるためです。
ただし、治療法によっては小学校高学年頃から受けられる治療等もあるため、一度専門クリニックへ相談してみると良いでしょう。
>>子どものわきがについて相談する
子どもにも適応可能なわきが施術
持続時間の長い制汗剤
「パースピレックス」

持続時間の長い制汗剤「パースピレックス」
市販の制汗剤のようにわきの表面にふたをするのではなく、汗腺深部にふたをすることで発汗を防ぎます。
1回の使用で3〜5日間持続するので、塗り忘れた日の心配や、こまめな塗り直しの手間もありません。12歳以上の子どもにも使用可能です。 >>詳しくはこちら
多汗に効果的「ボトックス注射」

多汗に効果的「ボトックス注射」
アンチエイジングにも利用されるボトックスには、発汗を促す神経伝達物質「アセチルコリン」の分泌を抑制する働きがあり、多汗症の症状に特に効果を発揮します。
汗の量を抑えることでにおいの量をも軽減させる方法で、小学校高学年以上で症状が軽度のお子さんにオススメです。
持続期間は3~6ヶ月ですが、繰り返し行ううちに汗腺が萎縮し、汗・においを抑える持続期間が長くなったり効果が高まったりすることもあります。 >>詳しくはこちら
アポクリン腺を照射して壊す
「ミラドライ」

アポクリン腺を照射して壊す「ミラドライ」
マイクロ波を照射することで汗腺を焼き壊す、最先端の切らないわきが治療のマシンです。腫れはしばらく続きますが、傷跡は一切残らず、また施術は1時間ほどで終わるなど、汗腺を切除する手術と比べて負担が大幅に軽減されます。
15歳以上のお子さんや、マイクロ波を照射するヘッドがわきにあてられる程度の華奢すぎないお子さんであればオススメです。
ミラドライの最大の魅力は、汗腺を除去することで確実性の高い効果が長期的に持続すること。成長期を終えるまでに汗腺が増えたり大きくなったりしたら、再度施術を受けることももちろん可能です。>>詳しくはこちら


子どものわきがの治療・手術費は保険適用か?
子どものわきがの治療や手術に関する費用は、多くの親御さんにとって重要な検討事項の一つです。
わきがの治療については、通常、保険適用外の自由診療とされることが多く、治療や手術の費用は全額自己負担となるケースが一般的です。
これは、わきが治療が美容的な側面も持つため、保険の対象とならないことが理由です。
ただし、保険適用の基準・治療である場合は、保険が適用されるケースもあります。保険が適用される場合、子ども医療費助成によって自己負担額がゼロになる場合もあります。※子ども医療費助成はお住まいの地域によって対象年齢が異なります。
保険適用外の場合は、クリニックによっては、分割払いやローンの利用が可能な場合もありますので、治療を検討している際には、事前にクリニックに相談してみると良いでしょう。
最終的には、わきがの症状とその治療方法に応じて、適切な費用対効果を考慮して治療を選択することが大切です。
治療を行うことで子どもが抱える心理的な負担を軽減し、より快適な日常生活を送れるようになることも多いため、慎重に選択することが求められます。
お子様のわきがは聖心美容クリニックへ

においは親子間でも大変デリケートな問題ゆえに、本人に伝えることで傷つけてしまわないか、ギクシャクしてしまわないかと心配する親御さんの声をよく聞きます。
しかし、クリニックに連れてきたら、実はお子さん本人も悩んでいたというケースは意外に多いものです。
年々、子どもにも受けさせられる安心安全な施術法は増えているので、いじめやトラウマ、自尊心の喪失など深刻な事態になる前に、まずは気軽にカウンセリングを受けてみませんか。