自分の脇汗の臭いが気になる人は少なくありません。いわゆる「ワキガ」と呼ばれる状態になる人は、日本人の場合は10〜20人に1人といわれているほどです。今回は、ワキガの原因や対策、医療機関における治療法までわかりやすく解説します。脇の臭いに不安があり、「自分がワキガかもしれない」と感じている方は参考にしてみてください。
そもそもワキガとは何か?
ワキガとは、脇の臭いが強い症状がみられる状態を意味します。ワキガの正式な呼び方は「腋臭症(えきしゅうしょう)」であり、医療機関で治療が行われることもあります。
ワキガの場合、自分では気がつかないケースもあれば、自分も周囲も臭いが気になっているケースもあります。あるいは、自分ではワキガだと思っていても、実際には思い込みだったという場合もあります。
ワキガにも程度があり、軽度であれば脇に鼻を近づけて臭いを嗅いだときに臭う程度です。中度になると、脇と鼻を近づけない状態でも、薄らと臭いを感じます。そして、重度のワキガでは、その人が部屋に入ってくると気がつくほどの臭いになります。
ワキガはどんな臭い?
ワキガは、脇の臭いが強い症状のことであり、独特な臭いを放ちます。運動したときには誰でも汗をかき、酸っぱいような臭いがします。しかし、ワキガの場合はそれと異なる独特の臭いがすることが特徴です。
ワキガの臭いは、古い雑巾の臭い、スパイスの臭い、硫黄臭、納豆の臭いなど、様々な表現が用いられています。疲労物質や老廃物がまざった汗などがワキガの原因となるため、人によって臭いも異なります。しかし、独特な臭いを放つという点では共通しています。
ワキガにも程度があり、軽度であれば脇に鼻を近づけて臭いを嗅いだときに臭う程度です。中度になると、脇と鼻を近づけない状態でも、薄らと臭いを感じます。そして、重度のワキガでは、その人が部屋に入ってくると気がつくほどの臭いになります。
ワキガの原因
ワキガになる原因は、汗、皮脂、細菌の関与が挙げられます。
分泌された直後では、汗はほとんど無臭に近いですが、皮脂や細菌と混ざり合うことで臭いが生じます。
ここでは、どのような仕組みでワキガ臭が発生するのかお伝えしていきます。汗(アポクリン汗腺)
汗を分泌するための器官として汗腺があり、「エクリン腺」と「アポクリン腺」に分類されます。エクリン腺とは、全身に分布している汗腺であり、分泌される汗はほとんど無色無臭となります。エクリン腺から出る汗によって、体温調節が行われています。
それに対して、アポクリン腺は脇、乳輪、へそ、性器の周りといった限られた部位にあります。アポクリン腺から出る汗は、脂質やたんぱく質を含んでおり、色は白く濁っていることが特徴です。ワキガの原因は、アポクリン腺から出る汗とされています。
皮脂(皮脂腺)
皮脂腺とは、皮膚の内部にある腺であり、ここから皮脂を分泌しています。皮脂腺は、手のひらや足裏を除き、ほとんど全身に分布しています。皮脂腺は毛根を包み込む毛包に付着しており、毛穴に通じています。
皮脂腺から皮脂が分泌された後、体温によって液化されて広がり、皮膚や毛髪を保護するなどの役割を担います。皮脂といえば、皮膚のべたつきやニキビの原因というイメージが強いですが、皮膚にとっては必要なものなのです。分泌が少ないと肌がカサカサになってしまいます。
しかし、皮脂が細菌に分解される過程で悪臭を放つため、皮脂の分泌が多すぎる場合は、ワキガの原因につながります。
細菌(脇などにいる常在菌)
ヒトの皮膚には、常在菌と呼ばれる細菌が潜んでいます。常在菌には、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、アクネ桿菌などがあり、いずれも皮膚に存在するだけでは害のあるものではありません。常在菌は、害のある細菌の増殖を防いだり、皮膚のバリア機能を高めたりする役割を持っています。
しかし、常在菌が多く繁殖すると、ワキガの原因になることがあります。脇のように蒸れる部位では常在菌が特に増殖するため、臭いが発生しやすい環境になります。
ワキガ臭が出る仕組み
アポクリン腺から出る汗に含まれる脂質やたんぱく質が皮膚の常在菌に分解されると、腐敗して臭いを放ちます。そこに皮脂腺から分泌される皮脂が加わると、悪臭を強める要因となります。
ワキガでは、アポクリン腺から分泌される汗そのものが直接臭うわけではありません。汗に含まれる成分や皮脂が常在菌と反応したとき、ワキガ臭が発生する仕組みになっているのです。
汗、皮脂、常在菌の量が多ければ、それだけ臭いは発生しやすくなってしまいます。ワキガの程度にもよりますが、これらの物質が混ざり合わないようにするだけでも、ある程度臭いは抑えることができるといえます。
本当に自分はワキガ?ワキガ対策をする前の簡単セルフチェック
ワキガと多汗症では症状が異なるため、ひとくくりにせず、別々のものとして考える必要があります。
汗の臭いや量が気になるときは、次にご紹介するセルフチェックの項目に該当するかどうかを確かめてみましょう。
ワキガのセルフチェック項目
ワキガといえば、「脇の臭いが強い」という症状が代表的です。しかし、体質や生活習慣と照らし合わせながら、自分がワキガになりやすいかどうかをセルフチェックすることもできます。次の項目に当てはまるか確認していきましょう。
- 両親のどちらか(または双方)がワキガである
- 耳垢が湿っている
- 衣類の汗ジミが黄色くなる
- 体毛が濃い方である
- 肉類や脂っこいものをよく食べる
- 他人から脇の臭いについて指摘されたことがある
耳垢が湿っていたり、汗ジミが黄色くなったりするのは、アポクリン腺から出る汗の多さが関与している可能性があります。汗ジミに関しては黄ばみがあることが特徴であり、これはアポクリン腺から出る汗に含まれるたんぱく質や脂質などの成分が影響しています。
また、アポクリン腺は毛穴の部分にあること、毛が多いと蒸れて雑菌が繁殖しやすいことから、毛深い人もワキガになりやすいとされています。
日頃から肉類や脂肪分の多いものを食べている人でも、ワキガが悪化する恐れもあります。食事によって増えた皮下脂肪が、アポクリン腺や皮脂腺を活発にさせる作用があるためです。
ワキガが不安な方は、自分の臭いに敏感になっており、ワキガだと思い込んでいるケースもあるため、「他人から脇の臭いを指摘される」というチェックポイントは意外と重要になります。なかなか他人には聞きにくい内容であるため、家族などに臭いがするか聞いてみると良いでしょう。
これらのセルフチェック項目に当てはまったからといって、必ずワキガであるとは断定できません。しかし、少なくとも「ワキガになりやすい体質」「ワキガの可能性がある」ととらえることができます。
ワキガ発症の主な要因
遺伝
「ワキガは遺伝する」という話を耳にしたことのある方も多いかもしれません。
ワキガ体質は、子供に遺伝するとされています。日本人の場合はそれほど強いワキガの人は少ないですが、欧米人の場合は強いワキガで悩む人が多いです。そのことからもわかるように、ワキガの遺伝性については解明が進んでいます。
ワキガはアポクリン腺から出る汗が原因になりますが、この汗腺が多く、大きければ、ワキガになりやすいです。このワキガを発症しやすい特徴が、遺伝によって子供に受け継がれることがあります。
片方の親がワキガ体質の場合は50%、両親ともワキガ体質の場合は80%の確率で、ワキガが遺伝するともいわれています。仮に両親がワキガだったとしても、子供が必ずワキガになるわけではありません。ただ、確率的な面から考えても、遺伝がワキガの発症に与える影響は少なからずあると捉えておきましょう。
生活習慣の乱れ
脂質の多い食事で皮脂の分泌が増えたり、運動不足の人が汗をかいたときに毛穴の汚れが一気に出てきたりすると、ワキガの臭いが強まる場合もあります。食生活や運動習慣を含め、日々の過ごし方がワキガの発症に及ぼす影響もあるといえます。
加えて、脇毛を処理していない、化学繊維の衣類が体に密着している場合にも、ワキガが発症する一因になります。脇が蒸れやすい状態になっていると、臭いの原因につながりやすいためです。
ストレスや緊張
精神的に緊張したり、ストレスを感じたりしやすい人では、アポクリン腺からの発汗が増え、ワキガの症状が気になることがあります。仕事やプライベートでストレス、不安、緊張などを感じやすい方は、それが原因となってワキガになる可能性もあるのです。
女性の体の変化など性ホルモンの作用
ワキガを発症する要因の一つには性ホルモンの作用によるものも挙げられます。
特に女性においては、月経や妊娠、出産時に一時的にワキガの臭いが増強することがあります。女性特有の身体の変化は、女性ホルモンの影響を受けるものですが、アポクリン汗腺もこれらの変化に反応します。
また、更年期を迎えると女性ホルモンの分泌量が減少するため、ワキガの臭いが以前よりも気にならなくなることが多くあります。
そのほか、思春期にもアポクリン汗腺が増殖することで後天的にワキガを発症するケースもあります。
ワキガの対策について
ワキガになって悪臭が出てしまうことを「体質的なものだから仕方がない」と諦めている方もいるかもしれません。
しかし、ワキガの症状を抑えるために、日頃から実践できる対策もいくつかあります。
日々の生活の中でできる対策は以下のようなものです。
ワキガ対策1:脇を清潔に保つ
シャワーや入浴で汗を流すのはもちろんのこと、汗をたくさんかいたときには、その都度汗を拭き取る習慣を持つことが望ましいです。汗を放置すると、皮膚の常在菌が汗に含まれる成分を分解し、悪臭を放ってしまうためです。
特に臭いが気になる脇だけでも、汗をかいたらこまめに拭くなど、肌を清潔に保つことが臭いの予防につながります。市販の汗拭きシート、ボディシートなどをバッグに入れて持ち歩き、汗が気になったときに拭き取る対策をしてみましょう。
ワキガ対策2:運動する習慣をつける
運動不足に陥り、汗を流す機会が少ない方は、その習慣を見直すことがワキガ対策の一助になります。汗をかく習慣によって、アポクリン腺に汚れが溜まるのを防ぎ、結果的に臭いを抑えることにもつながります。
なお、運動すると汗をかいて一時的にワキガ臭が強まる場合があるため、汗をかいたらしっかり流してください。
ワキガ対策3:食習慣を見直す
肉や菓子、乳製品など、脂質の多い食品の食べすぎを避けることは、ワキガ対策の一助になります。ワキガが気になる場合は、日頃からできるだけあっさりとした食事をとるようにしましょう。
肉類に含まれるたんぱく質は体に必要な栄養素ですが、脂質の少ない豆類や魚に置き換えるなど、工夫することができます。また、アルコールには汗腺を刺激する働きがあるため、飲酒の習慣があれば、ワキガ対策の一環としてお酒の量や頻度を減らすことも重要です。
ワキガ対策4:飲酒や喫煙を控える
アルコールやニコチンは、汗腺を活性化させる効果があります。
摂取することにより、ワキガの原因の一つでもある、アポクリン汗腺がより活発に動くため、アルコールやニコチンの摂取は避けることもワキガ対策として有効と言えるでしょう。
ワキガ対策5:ストレスを減らす
ストレスが加わると、交感神経が優位になり、汗の量が増加します。精神性発汗は、ストレスだけでなく、不安や緊張によっても引き起こされます。ストレス社会といわれる昨今、交感神経が高まり、発汗量が増えてしまう方も少なくないでしょう。
ストレスを減らすためには、その原因である「ストレッサー」が何なのかを分析してみることから始めます。仕事の量や質、人間関係など、ストレスの原因は人それぞれですが、取り除ける原因がないか検討してみてください。
そして、ストレスを発散する時間を持ったり、物事を前向きにとらえるようにしたり、精神的な負担が軽くなるように努めることも方法です。ストレスの発散の手段は人によって異なるため、自分に合った方法でコントロールしていきましょう。
ワキガ対策6:ドラッグストアなどで購入できる市販のデオドラント(制汗剤)やクリームを使う
デオドラントや制汗作用のあるクリーム、パウダーなどを活用して発汗を抑え、ワキガ臭を防ぐことも対策のひとつです。かつては制汗剤といえばスプレーが主流でしたが、種類も豊富になりました。
発汗を防ぐために、汗の通り道を塞ぐ作用のある塩化アルミニウムがよく用いられています。塩化アルミニウムでワキガや多汗症を治すことはできませんが、使用すれば発汗量を減らす効果が期待できます。デオドラントや制汗剤には、消臭、殺菌作用のある製品もあるため、自分に合った製品を探してみましょう。
デオドラントやクリームを使う際のポイント
ワキガ対策としてデオドラントやクリームを使用する場合、正しく使用しなければ効果が半減する可能性もあります。
・清潔な肌に使用:使用前には、脇の部分をしっかりと洗浄し、水分を拭き取ってから使用する。
・適量を塗布:多すぎると逆に肌トラブルの原因となることがあるので、適量を守る。
上記のポイントに気をつけながら使用しましょう。
ワキガ対策7:通気性の良い服を着る
脇の発汗をできるだけ抑えるために、リネンやコットンなど通気性の良い素材の服を選ぶようにしましょう。また、汗をかいたらすぐに着替え、清潔な状態を保てるようにするのが良いでしょう。
ワキガ対策8:ミョウバン水を使う
ミョウバンとは、アンモニウムやカリウムなどの金属イオンが結晶化してできた複合塩のことで、皮膚の常在菌が好むアルカリ性の環境を酸性の状態に変化させる作用があります。このミョウバンを水で薄めてスプレー状にし、脇に振りかけることである程度の消臭作用が期待できます。
ミョウバン水には優れた収れん作用もあるため、制汗の効果も期待できます。
ワキガ対策9:脱毛をする
医療脱毛では、レーザーを用いて毛根を集中的に破壊します。毛穴全体に熱ダメージを与える際、そこにつながっているアポクリン腺にもダメージを与えることになるので、結果的に発汗を抑えられ、臭いの減少が期待できます。
ワキガと多汗症の違い
ワキガと多汗症は、いずれも汗に関する症状であり、混同されてしまいがちです。しかし、両者はまったく異なるものであり、原因や症状にも違いがあります。
多汗症の特徴
多汗症とは、汗の量が増える病気のことです。体温を調節するために汗が出るのは自然なことですが、その範囲を超えて、汗が異常に出る状態となります。
多汗症は、全身の汗が増加する「全身性多汗症」、手足の裏など限られた部位で汗が増加する「局所多汗症」に分類されます。いずれも特に原因がない場合は原発性といいますが、汗が増加する背景には病気が隠れている場合もあります。
ワキガの症状が気になっている人は、汗の量について悩んでいることも少なくありません。ワキガと多汗症の両方の症状がある方もいますが、基本的に両者は症状が異なるため、区別しておきましょう。
多汗症セルフチェック
多汗症の場合は、ワキガとは違う観点でセルフチェックを行っていきます。多汗症では、汗の臭いというよりも、量の多さが気になる状態になります。日常生活においても、皮膚が接したものが汗ですぐに濡れてしまうなど、気になる場面が出てきます。
- いつも手が汗ばんだ状態になる
- 足裏が汗ばみ、サンダルを履いたときなどに汗で滑る
- 衣類によく汗ジミができる
- 電車でつり革につかまったときに汗で濡れる
- パソコンのキーボードを使用すると濡れる
- 車の運転をするとハンドルが濡れる
- 温が高くないのに、汗で下着が濡れる
このように、手で触ったものや体に接したものが汗で濡れてしまう場合には、多汗症のサインかもしれません。触れたものが濡れてしまうほどの汗が出ていれば、通常よりも発汗量が増加している可能性があります。
また、発汗量が多いと、それに伴って衣類に汗ジミができやすくなります。衣類によく汗ジミができるのは、多汗症が原因となっていることも考えられます。
多汗症の場合、手足の裏など限られた部位の汗が多くなれば、局所性多汗症の可能性があります。また、全身の汗が多ければ、全身性多汗症の症状と考えることができます。セルフチェックの内容とあわせて、体のどこから汗が出やすいと感じるのか、振り返ってみると良いでしょう。
多汗症の対策
多汗症の対策は、汗の分泌を抑えることが目的となります。
汗をかきやすい状況や環境を避けることが基本です。例えば、適切な服装を選ぶ、冷房を利用する、辛い食べ物やカフェインの摂取を控えるなどの工夫が考えられます。
また、制汗剤や冷却スプレー、冷却ジェルなども効果的です。
そのほか、ボトックス注射などの医療的な治療も選択肢のひとつです。
ワキガは自然に治る?
先述のように、ワキガはその人がもともと持っているアポクリン汗腺の量や遺伝によるところが大きいため、自力で完全に治すことは難しいといわれています。
食生活の見直しやストレスの軽減などのセルフケアで臭いを軽減させる対策は行えますが、ワキガそのものを完全に治すことはできません。
根本的な治療を行う場合は、クリニックでの治療がおすすめです。医師のカウンセリングのもと、症状に合わせて最適な治療法を行うことが重要となります。
ワキガ対策しても臭いが気になる場合は専門医に相談しよう
自分でできるワキガ対策もありますが、前述の通り、自分でワキガを治すことは難しいです。
ワキガ対策を行っても臭いが気になる場合は、クリニックで専門医に相談してみましょう。ワキガの治療を行っている皮膚科や形成外科であれば、受診することが可能です。
ワキガの程度や感じ方は人それぞれですが、専門医に相談すると、治療に関してどのような選択肢があるのかを具体的に知ることができます。ワキガ臭がすると自分で思い込んでいるのか、それとも本当に臭うのか、客観的に把握することも可能となります。
聖心美容クリニックのワキガ・多汗症治療について
聖心美容クリニックでは、ワキガや多汗症など、汗に関するお悩みをお持ちの方を対象とした治療を行っています。ワキガや多汗症の治療法は、症状や程度に応じて選択することになります。具体的にどのような治療を行っているのか順番にご紹介します。
ワキガの症状が[軽度~中度]の治療法
ワキガや多汗症の症状が軽度から中度の場合には、比較的負担の少ない治療法を視野に入れることができます。いずれも長期的に効果を持続させることは難しいですが、手軽にワキガ治療を受けられることが特徴となります。
パースピレックス(perspirex)
治療内容 | 汗を抑えたい部位に、塩化アルミニウムを含む制汗剤を塗布します。汗腺に角栓を作ってフタをすることで、汗の分泌を抑制します。 |
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持続期間 | 2〜5日間 |
傷跡の有無 | なし |
施術可能部位 | 脇、手のひら、足の裏 |
日常生活への影響 | なし |
費用 | ワキガや多汗症の治療の中では、費用を比較的安く抑えられることが特徴です。 パースプレックスの詳しい費用についてはこちら |
メリット | ホームケアが可能です。一般的な制汗剤とは異なり、何度も塗り直す手間が省けます。無香であり、衣服に色移りする心配もないため、使い勝手も良いです。 また、皮膚への刺激やアレルギーを抑えた処方になっている点も安心です。 |
デメリット | 重篤な副作用は確認されていませんが、使用によってかゆみが生じる方もいます。 |
パースピレックスの詳細についてはこちらをご覧ください。
ボトックス注入
治療内容 | 無毒化したボツリヌス菌から抽出されたタンパク質の一種を注入し、汗腺の機能を一時的に止めます。発汗を促す作用を持つアセチルコリンの働きを抑え、汗が過剰に放出されるのを防ぎます。 |
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持続期間 | 4〜6ヵ月 夏を迎える前にワキガや多汗症の対策をしたい場合は、4〜5月頃の治療を検討すると良いでしょう。 |
傷跡の有無 | ほとんどなし(注入時の針穴のみ) |
施術可能部位 | 脇、手のひら、足の裏、額、うなじ |
日常生活への影響 | なし |
費用 | ボトックス注入法の詳しい費用についてはこちら |
メリット | ボトックス注入による傷跡はほとんどなく、注入時に針穴が開くのみです。日常生活への影響もなく、手軽に治療できることが利点です。 |
デメリット | 短期的な効果しか得られないため、継続して治療を受ける必要があります。 |
ボトックス注入についての詳細についてはこちらからご覧ください。
ワキガの症状が[中度~重度]の治療法
ワキガ、多汗症の症状が中度〜重度になると、治療法の種類も変わってきます。効果が比較的長く続く治療が多いため、脇汗の臭いや量でお悩みの方は視野に入れてみてください。
ミラドライ
治療内容 | マイクロ波(電磁波)を脇に照射することによって、汗腺を壊す仕組みを利用したワキガと多汗症の治療方法です。 マイクロ波には、水分に反応して熱を発する特性があり、水分の多い汗腺を壊すように作用します。マイクロ波が水分の多い汗腺に集中して作用するため、周辺の組織にはほぼダメージが加わりません。 汗の量を抑えたい場合はエクリン腺のある浅い層に、汗の臭いも抑えたい場合はアポクリン腺のある深い層に、マイクロ波を照射します。 |
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持続期間 | 長期 |
傷跡の有無 | なし |
施術可能部位 | 脇 |
日常生活への影響 | 施術時には局所麻酔とクーリングを行うため、痛みや熱感はほとんどありません。治療によって痛みが生じた場合も、日常生活に支障がない程度となります。また、腫れやしびれなどが生じることがありますが、術後のケアで最小限に抑えていきます。 |
費用 | ミラドライの詳しい費用についてはこちら |
メリット | ミラドライでは皮膚を切開しないため、傷跡が残る心配がなく、一度破壊された汗腺は再生することもありません。ワキガや多汗症が再発しにくく、半永久的に効果が持続します。 |
デメリット | 体質によっては2回の施術が必要になる場合もあります。 |
ミラドライについての詳細についてはこちらからご覧ください。
ワキガの症状が[重度]の治療法
ワキガ、多汗症の症状が重度になると、切開を伴う治療法も視野に入れる場合があります。
切開するとなれば、日常生活への影響や治療費用などが気になるところです。ここでは、症状が重い方向けの治療法についてみていきましょう。
マイクロリムーブ法
治療内容 | マイクロリムーブ法は、重度のワキガの方、衣類の汗ジミや黄ばみが気になる方を対象とした治療法です。脇だけが治療対象となり、手足等の治療はできません。 聖心美容クリニックのマイクロリムーブ法では、脇下を切開して、1〜2cm弱のごく小さな入り口を作ります。そこからマイクロシェービングコンソーラーという器具を皮下に挿入して、ワキガの原因となるアポクリン腺や皮脂腺を粉砕します。そして、マイクロチップの回転で粉砕した組織を除去します。 施術時間は40〜60分ほどで、治療を終えたらガーゼで圧迫固定します。3日経過すると固定が外れてシャワーも可能となり、治療から1週間後の抜糸を終えたら入浴もできるようになります。 |
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持続期間 | 長期 |
傷跡の有無 | あり(1〜2cm) |
施術可能部位 | 脇 |
日常生活への影響 | 2〜3日の安静が必要になります(痛み止め処方)。術後3日間は脇を圧迫固定し、7日目に抜糸となります。 |
費用 | マイクロリムーブ法の詳しい費用はこちら |
メリット | 比較的小さな切開で済むため、回復が早いです。再発がほとんどないため、治療効果の持続性が高いです。 |
デメリット | 1〜2cmほどの傷跡が残ります。黒ずみ(色素沈着)を起こすことがあります。 |
マイクロリムーブ法についての詳細についてはこちらからご覧ください。
反転剪除法(切開法)
治療内容 | 反転剪除法は、ワキガ治療の中では高い効果が期待できる方法です。ワキガの症状が重度の方や、他の治療法では改善が見込めない方などが適応となります。 反転剪除法では、脇の下を5cmほど切開して反転させます。そして、皮下組織内にあるアポクリン腺を医師が直接見て確認し、除去していきます。 医師が目視で感染を取り除くことができる方法は反転剪除法だけであり、長期的に見ても効果が高いとされています。なお、この方法で治療できる部位は脇のみとなります。 |
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持続期間 | 長期 |
傷跡の有無 | あり(5cm) |
施術可能部位 | 脇 |
日常生活への影響 | 2〜3日の安静が必要になります(痛み止め処方)。術後3日間は脇を圧迫固定し、7日目に抜糸となります。 |
費用 | 反転剪除法(切開法)の詳しい費用はこちら |
メリット | 医師が目視で汗腺を取り除いていくため、確実性が高い治療法となります。他の治療法では改善が見込めない、重度のワキガでも適応となります。 |
デメリット | 5cmほどの大きな傷跡が残ります。黒ずみ(色素沈着)を起こすことがあります。 |
反転剪除法についての詳細についてはこちらからご覧ください。
ワキガに関するよくある質問
Q.ワキガが急に治ったように感じますが、急に治ることはありますか?
特定の生活習慣の変化や体調の改善により、ワキガの症状が急に軽減することがあるため、「ワキガが急に治った」と感じるケースもあるようです。
例えば、食生活の見直しやストレスの軽減、適切なスキンケアなどが挙げられます。
これらの変化により、ワキガの原因となる汗の分泌や皮脂の分泌が減少し、臭いが軽減することが考えられます。
また、女性の場合は妊娠や出産後のホルモンバランスの変化によって、臭いに変化が見られる場合もあります。
Q.突然ワキガになりますか?
ワキガの主な原因となるアポクリン腺の数は、生まれたときから定まっています。
そのため、後から体質が変わりワキガになるということは基本的に考えられません。
もし最近臭いが気になるようになったのであれば、もともと存在していたアポクリン腺が何かのきっかけで活発になった可能性が高いです。
Q.ワキガは汗をかかなくても臭いますか?
ワキガの原因となるアポクリン汗腺が活発である場合、汗をかいていなくても脇の部分から独特の臭いが発生します。
運動などで汗を多くかくと、臭いはより強くなり、周囲の人も臭いを感じることが増えます。
Q.中学生がワキガを自力で直す方法はありますか?
中学生がワキガの臭いを自力で軽減するための方法はいくつかあります。
ただし、ワキガは体質的なものであり、完全に「直す」ことは難しい場合が多いです。
以下は、中学生が自宅で試すことができるワキガ対策の方法です。
・清潔を保つ
・デオドラントなどを使用する
・食生活を見直す
・通気性の良い服を着る
・ストレスを減らす
ワキガは性ホルモンの影響を受けることもあり、成長とともに変わることもあるため、焦らず時間をかけて対策を続けることが大切です。
まとめ
ワキガは遺伝の影響を受けるとされていますが、生活習慣の工夫によってある程度改善できる余地はあります。制汗剤の使用、食生活や運動習慣の見直し、ストレスの発散などを通して、汗の臭いを抑えるように努めましょう。
また、ワキガの症状で悩んでいて、セルフケアでは改善が見込めない場合は、症状の程度に応じてクリニックでの治療を受けることをおすすめします。ワキガの程度にもよりますが、皮膚を切開せずに実施できる治療法もあります。
ワキガのお悩みは一人で抱え込まず、一度クリニックで相談することを検討してみてください。